不妊治療の前に
妊娠成立まで、女性の体内では生命誕生の神秘ともいえるドラマが展開されています。
ただし、受精の時には、ときにボタンのかけ間違いのように、受精卵の染色体異常が起こり、早期流産
となることがあります。大部分の早期流産の原因は受精卵の突然変異ですから、女性自身の努力では
防ぐことのできないトラブルです。
一方で、正しい知識を得ることで防げるトラブルもたくさんあることを、ぜひ、肝に銘じておいていた
だきたいものです。とくに、仕事をもつ方の場合、責任ある仕事を任せられている、仕事が面白くてたま
らないなど、妊娠に気がつかないケースも意外にあるのです。
妊娠には早めに気づいてほしいもの。それには、基礎体温をつけることです。基礎体温が低温相から高温相
に移行したまま、高温期が14日以上続いたら、まず妊娠と考えていいでしょう。妊娠検査薬で陽性になっ
たら、妊娠は確実です。妊娠が疑われたら、すぐに産婦人科を受診して正常妊娠であることを確かめます。
超音波検査で子宮の中に胎嚢(赤ちゃんが入った袋)が確認できれば、正常妊娠です。
ときには子宮外妊娠といって、子宮内膜以外に受精卵が着床することがあり、正常妊娠かどうかの診断は
大変重要なのです。また、予定月経が1週間遅れ、妊娠検査薬で反応が出るころの妊娠早期には十分に注意
しましょう。このころ、胎児は受精後3週間を迎えて、中枢系の器官形成が始まっています。
不注意に市販薬を服用するなどのケアレスミスは絶対に避けましょう。妊娠をすると熱っぽい、体がだるい、
眠いなどの症状が出がちです。プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が多くなるからですが、風邪をひ
いたと自己判断して、市販の風邪薬を服用することも、、、。
日本の場合、一般的な市販薬の多くは催奇形性(胎児に奇形を起こす可能性)の心配はありませんが、なか
にはその心配がある薬もあります。体調の変化に気がついたら必ず、妊娠の有無を確かめましょう。
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